町会長



  この度、第五吾嬬小学校開校75年の伝統ある歴史が閉ざされる事と相成りました。少子化という時の流れに押しやられ、関係各位の学校存続への情熱をかけられたご努力も遂に効を奏さず、彼岸の彼方へと押し流されてしまい残念乍ら、今日この日を迎える事になってしまいましたた。

  地域を代表して挨拶をという事でございましたが、正直申しまして祝辞はない頭でもなんとかなりますが、閉校のお別れ会という未だかって経験のない出来事を、どの様に申し上げてよいのか、誠に戸惑っております。只一つ言える事は、人生の中で一番印象に残る年月は、小学校時代だと思います。

 大人になっても、いつまでも深い思い出を残して亦た母校に永遠に別れなければなりません。本日ここにお集まり下さいました方々の、お一人お一人が恐らく万感胸に満ちて在校中の悲喜こもごもの思い出を語りつがれていかれる事と思います。

 そして1万人を満たさんとする卒業生の方々が馴れ親しまれた校舎で、体育館で、半世紀以上に渡って歌い続けて来たアノ校歌「荒き川波さわぐとも、心はすみて教えをとわに」身にとめて明日の文化を、つちかわん。人生のドラマは決して平坦ではない。だが然し進まねばならない、あの丘越えて、あの峰目指して、歳月は行く水のように還らぬといいますが、だからこそ新しい時が訪れてくるのだ。そしていつの日にか、すぎた昔がなつかしく思い出される。
   
      ああ 吾等 第五吾嬬
   さらばさらば 第五吾嬬小学校